7/28放送「“農家”から“農業”へ!」

7/28放送「櫻井浩昭の実践経営塾WebTV

毎月第四土曜日の15時~16時にBS11で放送中の「山口義行の中小企業新聞」。その第2部では、「櫻井浩昭の実践経営塾」と称して活躍する中小企業、挑戦する中小企業にスポットを当てて、その秘訣を実践的に紹介しています。以下では、テレビ局の許可も得て、番組の「エッセンス」をお届けしていきます。




2012728日(土)放送


“農家”から“農業”へ!
~グループ120人!農業法人の挑戦~

第3回となる今回は、群馬県にあるグリンリーフという農業法人をご紹介する。
小売業やサービス業といった産業は、どれも大抵企業が中心となって行っているが、農業は個人経営の農家が中心となって行っている。そんな中、農業も企業が中心となって行おうと農業法人として農業を行っているのがグリンリーフ。「農業を企業としてやっていく」――言葉にするのは簡単であるが、実際には様々な苦労があるはずである。企業として行う意味や理由とは何なのか、新規就農者の減少や就農者の高齢化などが問題とされる中、一体どのようにして経営を行っているのか。中小企業経営のヒントとなるものを探るべく、群馬県に飛んだ。

脱農協で目指す、自立した農業への道

美しく広がる赤城高原。農業法人グリンリーフ代表取締役である澤浦氏はどのような思いで農業の法人化に挑んだのだろうか。


r0013144_r

一般的な農家の形態は、農協から生産指示や技術指導を受けて、その通りに生産したものを納入し、お金をもらうというもの。経営者というよりも一農業技術者としての役割に近い。

多くの農家が農協に入って農業を営む中、法人としての農業への道を切り開くことにした澤浦氏に早速お話を伺ってみた。




――自分で値段を決められない。農産物をいくら生産して市場や農協に出荷しても思うような経営ができなかったんです。そこで、自分で生産した野菜やこんにゃくに自分で値段をつけて売れる農業にしていこう、ということでこういった形になりました。

生産だけでなくこんにゃくや漬け物の加工を行うグリンリーフ・有機栽培の葉もの野菜を生産する四季菜・農家や農業法人約60社が加盟し、その販売を行う窓口業務と新規就農者支援を軸とした野菜クラブ・モスフードと提携してトマトを生産するサングレイス、と会社としては4社で行っています。


0000
0101

しかし、外食チェーンと提携したとしても本当に大量納入出来るのか、季節変動などの不安定さの中でグループ従業員120名お給料も払わなければならない。

農業ならではの法人化の厳しさをどう乗り越えて“脱・農協”を可能にしたのだろうか。




引き続き、澤浦氏に聞いてみた。

お客さんとの関係性を築くためのチーム力

――やはりお客さんとの関係性だと思うんです。

自分たちは野菜や日配品といった特性もあって直接お客さんとは接触しないBtoBです。そう考えたときに、間に入って頂いている、モスさんや生協さんといったところは、最後お客さんにいい形で提供するためのパートナーだという考えをしています。そうすると、結果的に必要とされる農業者になっていけると思うんです。だからそこが一番重要だと思いますね。




――野菜クラブに独立支援プログラムがあり、新規就農者を育てています。彼らが、青森や静岡といった各地域で独立して農業を行うようになります。そうして同じ野菜を季節ごとに違う地域から提供していくことで、季節変動によるリスクヘッジをし、年間通じて提供するしくみを作っています。


0

大手企業や生協、そして新しく農業を始めたい人たちと連携していくことで、多くのことを可能にし、乗り越えてきたのである。澤浦氏は、法人化する意味をこういった連携という点から語ってくれた。

r0013159_r


r0013157_r1

――農業は一人では出来ない、やはりチームでやるものだと思います。

生産、加工、管理、経理などそれぞれに得意なことがあります。それぞれが力を最大限に出して同じ目標にむかっていったとき、初めてお客さんに対して高度なサービスが出来るし、社会に対して今まで提供出来ていなかった色々なものが提供可能になると思います。1人の力はやはり小さいです、それを組織化していくことに意味がある





<山口義行の切り口>

自立とはネットワーク構築力である!

一農家ごとで頑張っていても、お客さんのニーズに答えたり安定的に供給することは難しい。つまりはネットワークが重要である。農家同士だけでなく、加工業者などとも連携しネットワークを構築している。そしてさらにそのネットワークを広げるために、新規就農者独立支援プログラムによって新しく農業をしたい人にも支援をしている。こうして様々なネットワークを構築することで、お客さんのニーズにも幅広く答えていけるようになる。つまりは、農協が担っていた役割を、自分たちが担う事になる。ネットワークを構築することで依存していた農協をはずし、自立することに成功しているのだと思う。

このことは下請け中小企業にも言える。大企業が下請けの面倒までみられなくなって、いわば自立を強制させられることがある。その際に中小企業が考えていかければならないのは、自分たちは今どんなネットワークを持っているのか、そしてそのネットワークを作り上げていく力を持っているかどうかである。今回の実践事例は、中小企業全体に言えることである。





櫻井浩昭の実践キーワードは・・・「消費者目線で受けて立て!」

農業法人グリンリーフのビジネスの形態はBtoB。しかしBtoCであるかのように消費者目線にたってニーズに応えている。これは農業だけに言えることだけでなく、物作りやBtoBの企業など全体に対して言えることである。消費者からの要望を、簡単に不可能だと判断するのではなく、消費者の要望であれば受けて立つ!という志が重要。自社だけでは難しいというのであれば、自分のネットワークで連携して答えていけばいい。要望に答えようと、自身が変わることで求められる企業になっていくのである。グリンリーフは、農協をはずしたことにより、消費者と農家との距離を近くした。消費者と直接関わらない業態であっても、常に消費者の存在を感じながらやっていく。「消費者目線で受けて立て!」―――今回の取材から得た経営実践のキーワードはこれ。